DIYメモリアルは、お金をかけずに、誰でも今日から始められます。100均で揃う材料で、業者に依頼するのと同じくらい大切な思い出を残せます。完璧でなくても、不器用でも、あなたの手で作る時間そのものが、いちばんの思い出になります。
この記事でわかること
自分で作るメモリアルの良さ
業者に依頼するメモリアルとは違う、DIYならではの良さがあります。
- お金がほとんどかからない:100均で揃う材料が中心。業者依頼の数千〜数万円が、数百〜数千円で形になります
- 家族・子供と一緒に作れる:作る時間が、家族みんなの心の整理になります
- 自分のペースで・気持ちが向いた時に:1年後でも10年後でも、始めたいときに始められます
- 完璧でなくていい:不器用でも、失敗しても、あなたの手で作ったものは唯一無二の思い出になります
- 「やってる時間」が心の整理になる:手を動かす時間が、悲しみと向き合う時間にもなります
業者依頼の総合ガイドは別記事「犬の思い出を形に残す|写真・絵・遺骨・言葉の選び方ガイド」にまとめてあります。DIYと業者依頼、両方の選択肢を見比べてみてください。
足型・肉球を残す
足型・肉球の形は、あの子の存在の証として、いちばん心に残るメモリアルのひとつです。3つの方法があります。
3つの方法
- インクスタンプ(紙に押す):シャチハタの「ペット用肉球スタンプパッド」など、お肌に優しいインクが市販されています。紙に押すだけで完成。1,000円前後
- 紙粘土で立体型取り:100均の紙粘土で凹型を作り、後で凸型を取る方法。立体的な記念品になります(後述)
- 市販キット:粘土タイプ・スタンプタイプの専用キットが通販で1,500〜3,000円
紙粘土での取り方(詳しい手順)
- 紙粘土を手のひら大に取り、丸めて平らに伸ばす(厚さ5mm以上が安心)
- あの子の足を軽く押して凹型を作る
- 2〜3日かけて自然乾燥
- 乾いた凹型の上に、新しい粘土を載せて押すと、凸型の足型が取れる
- 色を付けたいときは、紙粘土に絵の具を混ぜ込むと自然な仕上がり
100均で揃う材料
- 紙粘土(ダイソー・セリア・キャンドゥ)
- 絵の具(アクリル絵の具がおすすめ)
- フォトフレーム(飾る用)
- 計:300〜500円ほど
★ 亡くなった子の足型を取る場合
- お体が硬くなる前(2〜3時間以内)が取りやすい。詳しい時間の目安は「犬が亡くなった直後の48時間」へ
- すでにお体が硬くなっていたら、無理に押し付けない(お体を傷つけてしまうことがあります)
- 24時間ほど経つと硬さがゆるんでくることもあり、その時に試すこともできます
- 諦めて、他の形見(毛・写真)に切り替えるのも立派な選択です
うまく取るコツ
- 紙粘土は水を少し足して、柔らかくしてから使う
- 前足2本・後ろ足2本で計4つの粘土を用意(向きが微妙に違うため別々に)
- 強く押し付けすぎない(自然な形にならない)
- 失敗したら、もう一度丸めて挑戦できる
毛を保管する
あの子の毛は、触感も匂いも残す数少ない形見です。火葬で燃えてしまうので、火葬前に取っておく必要があります。
取り方
- ブラッシングで抜けた毛を集めるのがいちばん優しい方法
- はさみで切る場合は、目立たない場所(背中・お腹・しっぽの内側)から少量だけ
- 量の目安は、小さじ1〜2杯ほど。たくさん取る必要はありません
保管方法
- ジップロックで密閉:湿気と空気から守る基本
- 桐箱があれば理想:防虫効果あり。100均の小箱でも代用可
- 透明な小瓶・小袋:あの子の存在が「見える」形で
- 直射日光を避ける:色褪せの原因に
- 湿気を避ける:カビ・劣化の原因に。乾燥剤を一緒に入れると安心
毛の応用
- お守り袋に入れて持ち歩く
- ロケットペンダントに入れて身につける
- 専用の遺毛保管箱(通販で1,000〜3,000円)
- 業者でアクセサリーに加工依頼(業者選びは「形に残すガイド」へ)
写真の整理・ベスト100枚を選ぶ
あの子の写真が「数千枚」あるご家庭は珍しくありません。全部見ようとすると、悲しみで疲れてしまいます。「ベスト100枚を選ぶ」と決めて始めるのが、続けるコツです。
選ぶコツ
- Googleフォト・iPhone「写真」アプリの検索機能を活用(顔認識で自動振り分け)
- 「日付別」「人物別」で振り分けると見つけやすい
- 一度に全部見ようとしない。1日10〜20枚ずつでも
- 家族で分担:それぞれが「お気に入り」を持ち寄ると、見逃さない
「ベスト100」を選ぶ基準
- 笑顔・寝顔:自然な表情のもの
- 遊んでる・走ってる:動きのある瞬間
- 家族と一緒:誰かと写っているもの
- 季節の写真:春夏秋冬それぞれから
- 子犬時代から最後まで:時系列で並べると、あの子の「人生」が見える
アルバムを自分で作る
- 100均アルバム+コンビニプリント:L判30円〜、ファミマ・セブン・ローソンで対応。アルバムは100均で100〜500円
- フォトブック自作:しまうまプリント・MyBookなどのスマホアプリで、1冊1,000〜3,000円。スマホ写真をアップロードするだけ
写真をプリントして飾る
スマホに眠らせるより、プリントして飾るほうが、毎日あの子に会える時間が増えます。
コンビニで現像
- L判30円〜・2L判100円〜
- セブン・ローソン・ファミマで対応(アプリで送信)
- 家のプリンタでもL判印刷紙で可
100均フォトフレーム
- ダイソー・セリア・キャンドゥで100〜300円
- L判用・2L判用・A4用と、サイズが選べる
- 木製・アクリル製・装飾付きなどデザインも豊富
飾る場所のアイデア
- リビング:家族みんなで見られる場所に
- 寝室:眠る前に「おやすみ」と話しかける場所に
- 仏壇・祭壇:手を合わせる場所に
- 玄関:出かけるとき・帰ったときに挨拶する場所に
★ 季節で写真を入れ替える楽しみ
春の写真は春に・夏は夏に・秋は秋に・冬は冬に飾ると、あの子と過ごした「同じ季節」を思い出せます。命日・誕生日には特別な1枚を選んで飾るご家族もいます。フレームに入れる写真を1〜2か月ごとに入れ替えるだけで、毎日のあの子との時間が新鮮になります。
服・リード・首輪をリメイクする
あの子が使っていた服・リード・首輪を、別の形に作り変えるリメイク。手元に残すだけでなく、日常で身につけられる形になります。
何に作り変えられるか
- クッション・座布団:服の生地を中に縫い込む
- お守り袋:小さな布袋に裁断した一部を
- タペストリー・壁飾り:写真と一緒に額装
- ぬいぐるみ:服の生地を使って小さなぬいぐるみに(上級者向け)
- フォトフレームに添える:そのまま添えて飾る
難易度別の選択肢
- 簡単:そのままフレームに入れる・小箱に保管する
- 中級:お守り袋・小物入れに(手縫いでも可)
- 上級:ぬいぐるみ・クッションに作り変える(ミシン推奨)
外注する選択肢
- 思い出リメイク専門業者に依頼(5,000〜30,000円)
- 縫い物が得意な知人・親戚に頼む
★言葉で残す(うちのペット独自)
写真や物にしなくても、言葉で残す方法があります。あの子のことを言葉にする時間そのものが、心の整理にもつながります。書くことが苦手でも、上手でなくていいです。
1. あの子への手紙シリーズ
月に1通、あの子に宛てた手紙を書いてみる方法です。1年で12通、ノートにまとめておくと、命日に読み返すご家族もいます。書く内容は自由——「今日は○○があったよ」「あの散歩道で思い出したよ」「家族みんな元気だよ」など、日常の報告でも構いません。
うまく書こうとしないでください。思いつくままに、走り書きでもいいです。書けない月は飛ばしても大丈夫です。
2. あの子の言葉日記
もしあの子が話せたら、何と言っているか——想像して書いてみる方法です。「今日も寝てるよ」「○○が好きだったね」「あの公園、楽しかったね」など、飼い主の想像であの子の「声」を文字にしていきます。
あの子の言葉を書く過程で、自分の中の「あの子」が、はっきりとした言葉になっていきます。グリーフケアでも、心の整理に役立つ方法のひとつとして知られています。最初は照れくさいかもしれませんが、続けるうちに、自然に書けるようになる方が多いです。
3. 家族のリレー文集
家族全員が1ページずつ書いて、1冊の本にまとめる方法。パートナー・お子さん・親世代——それぞれが「自分から見たあの子」を書き残します。
- 小さなお子さんは絵だけでも構いません
- 大人は思い出のエピソードを文章で
- 祖父母世代は、孫世代のあの子への愛情を
命日や誕生日に家族で読み返すと、それぞれの視点から見たあの子の物語が、家族の共有財産になります。一人で抱える悲しみを、家族で分け合う時間にもなります。
4. 思い出のレシピノート
あの子の「人生記録」として、生活の細部を残す方法。具体的には:
- 好きだったおやつ・ご飯のレシピ
- 散歩コースのマップ(行きつけだった公園・スポット)
- 通った動物病院・トリミングサロン・ペットホテルの連絡先
- お友達の犬・猫の名前(散歩仲間など)
- 初めての日・大きなイベント(誕生日・引っ越し・旅行)
- 癖・口グセ・好みの寝場所
こういった細部の記録は、写真には残らない「あの子の生活」を文字で残します。何年経っても、ノートを開けばあの子の毎日に戻れます。
★五感で残す(うちのペット独自)
写真は「視覚」だけの記憶です。でも、あの子の記憶は、もっと多くの感覚に染み込んでいます。意識して残しておくと、ふとした瞬間に「あの子」と再会できます。
香りで残す
- あの子が好きだったおやつの匂い(密閉容器で保管しておくと、開けた瞬間に思い出す)
- シャンプーの香り(同じシャンプーを使い続けている家族もいます)
- あの子の毛布・タオルの匂い(一枚だけ洗わずに残しておく)
- アロマで再現:あの子と過ごした季節の香り(夏のラベンダー・冬のオレンジなど)
音で残す
- 鳴き声(吠える声・寝言・甘え声)
- 散歩中の足音(爪の音)
- ご飯を食べる音
- 名前を呼んだときの反応
★ 音は生前のうちに録音できれば理想です。亡くなってからは取れない、いちばん貴重な記録です。今、まだ元気な子と暮らしている方は、スマホで数十秒でも残しておくのをおすすめします。
触覚で残す
- お気に入りの毛布・クッションを保管しておく(触り心地で思い出す)
- ベッドの形を覚えておく(写真に撮っておく)
- 毛の感触(毛を保管したものを時々触る)
- 抱っこした時の重み(数字で記録しておく:「いつも7kgあった」など)
味で残す(家族の食卓に)
- あの子が好きだった食材を、時々家族で食べる(さつまいも・ささみ・りんごなど)
- 散歩で立ち寄ったお店のおやつを買う
- 命日にあの子の好物を作って家族で食べる
名前入りグッズを作る(100均素材)
あの子の名前を入れた小物を作ると、日常で持ち歩けるメモリアルになります。すべて100均素材で揃います。
お守り袋
- 100均の端切れ・紐
- 中に毛・写真・名前を書いた紙を入れる
- カバンに付けたり、ポケットに入れて持ち歩く
刺繍
- ハンカチに名前・肉球マーク
- クッションカバーに名前
- 100均の刺繍セット(針・糸・布)で始められる
布製ミニタペストリー
- 100均の額縁+布+刺繍やプリントで名前
- 写真も一緒に飾れる
木製ネームプレート
- 100均の木の板+ペン・絵の具で名前を描く
- 焼き印は、DIYショップ(カインズなど)で道具の貸出をしていることも
- 仕上げにニスを塗ると長持ちする
動画を編集する(無料アプリ)
スマホに溜まった動画を、1本の思い出ムービーにまとめる方法。プロのような編集はいりません。
iPhone「写真」アプリ
- 「メモリー」で自動的に思い出ムービーが生成されます
- 写真・動画を選ぶと、BGM付きの動画に
- 何もしなくても勝手に作られていることが多い
無料アプリで自分で編集
- CapCut:スマホで使える無料アプリ。テンプレートが豊富で初心者にもやさしい
- iMovie:iPhone・iPad標準アプリ。シンプルな操作で本格的に編集できる
- Filmora:PCソフト・初心者向けで使いやすい
BGMの選び方
- 著作権フリーの曲を使う(YouTubeオーディオライブラリ・甘茶の音楽工房など)
- あの子と過ごした時期に流行っていた曲
- 季節に合う音楽(春の曲・冬の曲)
共有・保存
- 家族のLINEグループで共有
- YouTubeに「限定公開」でアップ(家族だけが見られる設定)
- USBメモリに保存して、PCが壊れても残るように
- クラウド(iCloud・Googleドライブ)にもバックアップ
「うまく作れない」と感じたら
DIYメモリアルは、誰もがやらなければいけないものではありません。気持ちが向かない日があって当然です。
- 完璧を求めない:失敗も、不器用な仕上がりも、思い出のひとつです
- 「やる気が出ない日」はやらない:休む日があって構いません
- 1年・2年経ってから始めても遅くない:気持ちが落ち着いてからのほうが、丁寧に作れることもあります
- 業者に頼る選択肢:自分で作るのが辛ければ、業者依頼の選択肢があります(「形に残すガイド」へ)
- 家族・友人に頼む:縫い物が得意な家族、写真整理が好きな友人——周りの手を借りるのも立派な選択です
よくある疑問
・3〜5歳:写真選び・絵を描く・粘土遊びとしての足型(手伝いながら)
・6〜9歳:手紙を書く・簡単な刺繍・写真整理
・10歳以上:本格的なリメイク・動画編集・「あの子の言葉日記」
お子さんにとって、「お別れ」の儀式として一緒に作る時間は、心の整理に役立つと言われています。怖がるなら無理せず、お子さんが「やりたい」と言ったら寄り添ってあげてください。お子さんの「眠っているみたいだね」「ここの匂いがあの子の匂い」といった言葉は、否定せず受け止めてください。
・毛色・大きさ・しっぽの動き方
・鳴き声・歩き方・走り方
・好きだったこと・苦手だったこと
・癖・口グセ・寝場所
これらをノートに書き溜めると、写真の代わりになります。本記事の「言葉で残す」セクションも参考に。SNSや家族のLINEに残った数枚の写真でも、十分にあの子の記憶を呼び起こせます。
参考・出典
- 本記事は、複数のメモリアル業者・ペット葬儀業者の公開情報、DIYクラフト系メディア(カインズ・シャチハタ等の公開情報)、グリーフケア関連の一般情報を参照して作成しています。情報は変わっていく可能性があるため、特定のURLは命綱を除き掲載していません。
- 具体的な手順・材料選び・業者依頼は、必ず各情報源・販売店にご確認ください。
- よりそいホットライン(24時間・無料・通話料無料):0120-279-338(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター運営)
- 厚生労働省「まもろうよこころ」:https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/