犬が亡くなった直後の48時間|してあげられること、急がなくていいこと

鉛筆画調のシニア犬イラスト(犬が亡くなった直後の48時間|してあげられること、急がなくていいことのアイキャッチ)

最初の数時間は、何もしなくていいです。そばにいて、声をかけて、撫でてあげる——それだけで十分です。ただし、体勢を整えることと、体を冷やすことだけは、お体が硬くなり始める2〜3時間以内に始めると、あとが楽になります。慌てず、できる範囲で。葬儀の予約も死亡届も、今夜じゃなくて大丈夫です。

この記事でわかること
目次

まず深呼吸を(最初の数分・数時間)

お別れの瞬間に直面したばかりのご家族へ。今、何かを判断したり、電話をかけたり、ネットで調べたりしなくていいです。最初の数時間は、ただ、そばにいてあげる時間で大丈夫です。

  • そばに座る・横になる
  • 名前を呼ぶ・声をかける
  • 撫でてあげる
  • 泣く・抱きしめる
  • 家族と一緒に過ごす

このあとのことは、少し気持ちが落ち着いてからで間に合います。あの子の体に「今すぐ何かしないと」というプレッシャーは、ほとんどありません。深呼吸を、何度かしてみてください。

お体を清めて、整える(〜2〜3時間以内)

気持ちが少し落ち着いたら、あの子のお体を整えてあげましょう。亡くなってから2〜3時間ほどで、お体がだんだん硬くなり始めます。それまでに体勢を整えておくと、棺に納めるときや、最後の姿を写真に残すときに、自然な姿でお別れができます。

整えること

  • 体勢を整える:手足を体に沿わせて、丸まった姿勢にしてあげる(眠っているような姿勢)。横向きでも、伏せの姿勢でも、自然に見える形で
  • 目を閉じる:半開きの場合は、まぶたを優しく下ろしてあげる。閉じない場合は、無理に押さえつけない(自然なままで大丈夫)
  • 口を閉じる:開いたままになっているなら、軽く閉じてあげる。タオルを下あごに巻いて支えるご家族もいます
  • お口・お鼻を拭く:水分や体液が出てくることがあります。ガーゼやティッシュで優しく拭いてあげてください
  • 毛並みを整える:ブラッシングしてあげる方も多いです。あの子が好きだったブラシで

お口や鼻からの水分について

亡くなったあとに、お口や鼻、おしりから水分や体液が出てくる場合があります。これは自然な体の変化で、悪いことではありません。タオルやペットシーツを下に敷いて、ガーゼで優しく拭いてあげてください。気になる場合は、お口や鼻、おしりに脱脂綿を軽く詰めると、漏れを抑えられます。

冷やしてあげる(季節別の目安)

お別れのあと、しっかり冷やしてあげることは、あの子のお体をきれいな状態で保つために大切です。「冷やす」と聞くと冷たい印象がありますが、これは「あの子の最後の姿を、できるだけきれいに保ってあげるための準備」です。

冷やす場所の優先順位

  1. 最優先:お腹(とくに内臓のあたり)。あの子のお体をきれいに保つために、いちばん大事な場所です。保冷剤をタオルでくるんで、お腹の上にそっと置きます
  2. 次に:首・後頭部。頭の側もしっかり冷やしてあげましょう
  3. 余裕があれば:脇の下・足の付け根。体の中心部に近く、冷却効果が高い場所です

慌てて全部を一気にやろうとせず、まずお腹だけでも保冷剤を置けば、応急の冷却としては十分です。あとはご家族の手が動くままに、ゆっくり整えていって大丈夫です。

冷やし方

  • 保冷剤:スーパー・ホームセンター・100円ショップで購入できます。直接お肌に当てず、必ずタオルで包んでから
  • :ビニール袋に入れてタオルで包む。溶けた水が体に染みないよう、二重の袋に
  • 結露への注意:保冷剤の外側に水滴がつきます。体やタオルを濡らさないよう、こまめに拭いてください
  • 交換のタイミング:保冷剤は4〜6時間で溶けます。複数用意して、こまめに交換を

季節別の目安

  • 冬(〜15℃の室温):冷暖房を切って涼しい部屋に。それでも体は冷やしてあげてください。2〜3日はご自宅で過ごせます
  • 春・秋(15〜25℃):冷房や扇風機を使い、保冷剤も併用。1〜2日のうちに葬儀を検討
  • 夏(25℃以上):エアコンを20℃以下まで下げる。保冷剤は多めに、こまめに交換。できるだけ早く(24時間以内が目安)火葬の手配を

安置の場所と方法

あの子を寝かせてあげる場所を整えましょう。難しく考えなくて大丈夫です。普段過ごしていた場所のそばで、静かで、涼しい場所であれば十分です。

場所選び

  • 涼しい場所(直射日光・暖房のそばを避ける)
  • 家族が様子を見られる場所
  • 仏壇や祭壇のそばでも、普段のベッドの場所でも

用意するもの

  • 箱・棺:お体が無理なく入る大きさの箱(少し大きめ)、または市販のペット用棺。お気に入りのベッドそのままでも
  • 下に敷くもの:ペットシーツ(防水)→タオル→バスタオルの順番で敷くと、体液の漏れにも対応しやすいです
  • 体を包むもの:あの子が好きだった毛布・タオル・お洋服。寒くないように包んであげて
  • 顔の周りに:花を一輪、好きだったおもちゃ、家族の写真など

置き方の例

  • 体勢は、自然な眠っているような姿で
  • 顔は安置場所の入口を向くように(火葬の業者が運ぶ向きを意識)
  • 頭の下に小さな枕やタオルを丸めて入れてあげる
  • 好きだったおやつを一口分、口元に添える方も

葬儀の選択肢(簡潔版)

火葬や葬儀の選択肢を、ざっくり整理しておきます。詳細は別の記事「犬の火葬 費用と相場|後悔しない選び方」にまとめてありますので、落ち着いてから読んでみてください。今は、選択肢があることだけ知っておいて大丈夫です。

主な選択肢

  • 個別火葬(立会あり):ご家族で見送って、お骨も拾える。費用の目安:1〜5万円
  • 個別火葬(立会なし):業者に任せる。お骨は返してもらえる。費用の目安:1〜3万円
  • 合同火葬:他のペットと一緒。お骨は返されないことが多い。費用は安め
  • 自治体での火葬:地域による。費用は低いが、お骨返却なしのことが多い
  • 訪問火葬:自宅近くまで来てもらえる移動火葬車。費用の目安:2〜4万円

連絡すること

気持ちが落ち着いてから、必要な連絡をしましょう。今すぐ全部やる必要はありません。

すぐ(今日・明日のうちに)

  • ご家族・近しい方:一緒にお別れしたい方がいれば、声をかけて
  • かかりつけの動物病院:最後を一緒に見守ってくださった先生に、報告の電話やメッセージを。多くの先生は気にかけてくださっています
  • 葬儀業者の予約:見積もりを取って、日時を決めたら

落ち着いてから(数日以内)

  • お仕事の調整:お休みが必要なら、率直に「家族を見送ったので」と伝えて構いません。会社によっては忌引きの規定がある場合も
  • ペットシッターやお散歩仲間:定期的にお世話を頼んでいた方がいれば

48時間後以降でいい連絡

お別れの整え方

葬儀までの時間は、最後にあの子と過ごす、かけがえのない時間です。「何かしなきゃ」ではなく、「一緒にいる」ことを大切にしてください。

してあげたいこと

  • 名前を呼ぶ・声をかける:「ありがとう」「がんばったね」「大好きだよ」——伝えたい言葉を、何度でも
  • 触れる・撫でる:温もりが残っているうちに、好きだった場所を撫でて
  • 抱きしめる:体が冷たくなっても、ご家族の温もりは届きます
  • 最後の姿の写真を撮る:「縁起が悪い」と思う方もいますが、ご家族の心に残しておくための写真は、後悔を防ぐことがあります。撮るかどうかはご家族の自由です
  • あの子の好きだったものをそばに:おもちゃ、おやつ、お洋服、家族の写真
  • 家族みんなで集まる:とくにお子さんは、お別れの時間が大切な思い出になります

やらなくていいこと・急がないこと

「やるべきこと」のリストばかりが目に入りがちですが、今、急がなくていいこともたくさんあります。

  • すぐに葬儀を予約しなくていい:しっかり冷やせば、冬2〜3日・夏でも1〜2日は時間があります
  • 遺品を片付けなくていい:ベッド・食器・おもちゃは、急いで手放さなくて大丈夫。気持ちが向いたタイミングで
  • 完璧な葬儀を目指さなくていい:見栄えやしきたりより、ご家族の納得感のほうが大切です
  • SNSに報告しなくていい:話したくなければ話さなくて大丈夫。話したくなったら話せばいいです
  • 「無理に元気になろう」としなくていい:今は悲しんでいい時間です
  • 仕事に無理して行かなくていい:心の限界が見えているなら、休んでください

48時間後にやること(先取り)

火葬が終わったあと、または数日経って気持ちが少し落ち着いたら、こんな実務が待っています。今夜は読み飛ばして大丈夫です。あとで戻ってきてください。

30日以内に必要な手続き

落ち着いたタイミングで

  • ペット保険の解約・最後の保険金請求:契約していた保険会社に連絡を。亡くなった月の保険料・最後の医療費の請求が必要な場合があります
  • お住まい関連の手続き:ペット可物件で大家さんへの届け出が必要だった場合など
  • 遺品の整理:心が落ち着いてからで大丈夫。一度に全部処分しなくていいです
  • 思い出を形に残す:写真の整理、手元供養、絵やフォトブックなど。気持ちが向いたタイミングで

よくある疑問

何時間以内に葬儀をしないといけませんか?
「何時間以内」という決まりはありません。しっかり冷やしてあげれば、冬は2〜3日、春秋は1〜2日、夏でも1日ほどはご自宅でゆっくり過ごせます。夏場でドライアイスを業者に依頼すれば、1週間程度ご自宅で安置するご家族もいます。急がず、ご家族の納得できるタイミングで決めてください。
真夏で冷却が追いつかない気がします
エアコンを20℃以下まで下げ、保冷剤を多めに(5〜10個)、4時間おきに交換してください。それでも追いつかないと感じるなら、ペット葬儀の業者にドライアイスでの保冷を依頼するか、火葬を早めるのが安全です。1日数千円でドライアイスを業者から手配できることが多いです。電話で「夏場で冷却が心配」と伝えると、対応してくれます。
自宅の庭に埋めてあげていいですか?
私有地の土地に深く埋葬すること自体は、法律上禁止されていません。ただし、自治体の条例で制限がある地域や、近隣・水源への配慮(においや衛生面)が必要です。土に還すには深さ50cm以上(できれば1m以上)が必要で、再開発や引っ越しのときに掘り起こされる可能性もあります。多くの場合、火葬してからお骨を埋葬する方法が、衛生面・心情面の両面で安心です。地域のルールはお住まいの市区町村役所に確認できます。
死後何時間まで触れてあげていいですか?
時間制限はありません。火葬まで、ずっと触れてあげて大丈夫です。お体の温もりが冷たくなり、硬くなり、また少しやわらかくなる——時間とともに変化していきますが、ご家族の温もりはあの子に届きます。「もう触らないほうがいい」というルールはないので、お別れの瞬間まで、撫でて、抱きしめて、話しかけてあげてください。
体が硬くなってしまい、棺に入りません
無理に押し込まないでください。お体を傷つけてしまいます。硬さは半日〜1日ほどで少しずつゆるんでくることが多いので、それまで待ってから棺に納めることができます。どうしても先に納めたい場合は、棺を一回り大きいものに替える、または葬儀業者に相談してください。プロが優しく整えてくれます。
火葬を待っている間、どこに安置すればいいですか?
ご自宅の涼しい場所で大丈夫です。普段あの子が好きだった場所のそばや、リビング、寝室など、ご家族が様子を見られる場所が望ましいです。避けたい場所は、直射日光が当たる窓辺、暖房やキッチンのそば、お風呂場(湿気が多い)など。仏壇のある部屋に置くご家族も多いです。
お別れの写真を撮るのは縁起が悪いと言われました
そう言う方もいますが、決まりはありません。ご家族の気持ちが優先です。撮りたい方は撮ってください。「最後の姿をきれいに残しておきたい」「孫世代にも見せたい」と感じるのは自然な気持ちです。逆に「撮らずに記憶だけで」という選択も尊重されます。後悔しないほうの選択を、ご家族で話して決めてください。
夜中に亡くなりました。今すぐ何をすべきですか?
何もしなくて大丈夫です。今夜は、そばにいてあげてください。夜中に葬儀の電話をかける必要はありません。冷たいタオルや保冷剤があれば、お腹のあたりに置いて、明日の朝以降に葬儀の手配を始めましょう。気持ちが追いつかないときは、家族で交代しながら、休める方は休んでください。

参考・出典

  • 本記事は、複数のペット葬儀業者の公開情報・動物病院の一般情報・自治体の公開資料を参照して作成しています。情報は変わっていく可能性があるため、特定のURLは命綱を除き掲載していません。
  • 具体的な火葬の方法・費用・自治体ルール・自宅埋葬の可否は、必ずお住まいの市区町村・葬儀業者にご確認ください。
  • よりそいホットライン(24時間・無料・通話料無料):0120-279-338(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター運営)
  • 厚生労働省「まもろうよこころ」https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/

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