犬の火葬 費用と相場|選び方の基準・流れ・手続き

柔らかな日差しのなか、毛布の上で安らかに眠る老犬と小さな白い花

犬を見送るとき、悲しみのなかで短時間に葬儀を決めることになります。落ち着かない状態で相場より高い請求だったという相談も報告されています。費用・選び方・手続きを、見出しから必要なところだけ拾えるようにまとめました。

目次

いくらかかる? 犬の火葬費用の目安

犬の火葬費用は、合同で8,000円〜、立会い個別で2万〜10万円台が目安です。

犬のサイズ合同火葬個別(一任)立会い個別
〜5kg(チワワ等)8,000〜20,000円18,000〜33,000円22,000〜40,000円
5〜10kg(柴・コーギー等)16,000〜26,000円23,000〜40,000円27,000〜45,000円
10〜25kg(中〜大型犬)20,000〜40,000円30,000〜55,000円40,000〜62,000円
25kg以上(大型犬)40,000〜60,000円50,000〜80,000円60,000〜100,000円〜

地域・業者・時期で変動。自治体なら数千円〜のこともありますが、多くは合同で遺骨は返りません。

訪問火葬・移動火葬車の料金帯

自宅前や近隣スペースまで火葬車で来てもらう「訪問火葬」は、固定施設に持ち込む場合と比べて、車両手配・移動料金の分がかかるケースが報告されています。方式によって費用の内訳が変わるため、見積もり時に確認しておくと安心な項目です。

方式特徴費用の目安(小〜中型犬)
固定施設 持込斎場・霊園に自分で連れて行く合同 8,000円〜/個別 20,000円〜
訪問火葬(移動火葬車)自宅前まで火葬車が来てくれる個別 25,000〜60,000円(車両手配・移動料含む)
訪問火葬(斎場搬送のみ)自宅から遺体を斎場へ搬送してもらう搬送 5,000〜15,000円 + 火葬費用

金額は地域・業者・時期で大きく変わります。移動火葬車型の場合、炉の内部を確認できないケースがあり、内訳が不明瞭という声も報告されています。見積もりの段階で「基本料金に何が含まれるか」を書面で確認しておくと安心です。

どの方法を選べばいい?

合同・個別一任・立会い個別の3方式から選びます。迷ったら「遺骨を手元に残したいか」で決めてください。

合同火葬

他の子と一緒。最安。遺骨は返らない。

個別(一任)

1頭ずつ火葬、収骨は業者に。後日、骨壷で返却。

立会い個別

家族で立ち会い収骨。最も丁寧だが高い。

訪問火葬(自宅・移動火葬車)という選択肢

「自宅を離れさせたくない」「移動が難しい」というご家族の声から、訪問火葬という方法もあります。仕組みは大きく2種類:

  • 移動火葬車型: 火葬炉を積んだ専用車が自宅前まで来て、その場で火葬する方式
  • 斎場搬送型: 自宅から遺体を斎場まで搬送してもらい、施設で火葬する方式

それぞれ費用感・所要時間・立ち会いの可否が変わります。訪問火葬を選ぶときは、業者の所在地・車両ナンバー・炉のタイプを事前に確認しておくと安心です。

亡くなったら、まず何をする?

直後はお腹を冷やす、24時間以内に業者へ連絡、30日以内に役所へ死亡届——の順で進めます。

STEP1
直後

体を整え、保冷剤やドライアイスでお腹を冷やし、涼しい場所へ。

STEP2
24時間以内が目安

火葬方法を決め、業者に連絡。夏場は早めに。複数社から見積もりを。

STEP3
30日以内(犬は法律上の義務)

市区町村へ死亡届。鑑札・注射済票を返却。マイクロチップ登録があればその死亡届も。

STEP4
落ち着いてから

保険の連絡、遺骨の安置。遺品は無理に片づけなくていい。

夏場の安置と死後硬直について

亡くなったあと2〜3時間ほどで死後硬直が始まると言われます。目や口を閉じてあげたり、体を自然な姿勢に整えるのは、硬直が始まる前が動きやすい時間帯です。

夏場は特に、保冷剤やドライアイスを腹部・首の下・脇に当て、直射日光の入らない涼しい場所に寝かせておくケースが多いようです。エアコンの効いた室内であれば、冬場は数日、夏場は当日〜翌日中に業者へ連絡するのが目安として語られています。

24時間対応・即日予約が可能な業者について

深夜・早朝に亡くなった場合、24時間電話対応・即日予約に対応している業者があります。夜間対応の可否・追加料金の発生条件は、業者ごとに大きく違うことが報告されています。予約タイミングに応じて費用が変わることもあるため、電話時に「今日中の対応は可能か」「深夜料金は発生するか」を確認しておくと安心です。

いつまでに、役所へ届ける?

犬は死後30日以内に市区町村への死亡届が法律で義務です。

30日以内の届け出(犬だけの義務)

犬は死後30日以内に市区町村へ死亡届が定められています(狂犬病予防法 第4条)

  • 届けないと予防注射の案内が届き続けます
  • 罰則規定として、20万円以下の罰金が定められています(同法 第27条)
  • 猫・うさぎ・鳥などは不要(犬だけの手続き)

様式・提出先は自治体ごと。「市区町村名+犬+死亡届」で検索を。

業者選びで失敗しないには?

複数社から内訳つきの見積もりを取ることが、最大の予防策です。火葬はやり直せません。

① 必ず複数社から見積もりを(最重要)

同条件でも費用が2〜3倍違うことも。亡くなってからでは冷静に比べられないので、シニア期に1社調べておくと安心。

② 見積もりの内訳を確認

「基本料金に何が含まれるか」を聞き、書面に。トラブルの大半は後からの追加請求。

③ 会社情報・実績を確認

所在地・固定電話の明示、創業年数、業界団体(全国ペット霊園協会等)への加盟が目安。

④ 施設タイプを知る

固定施設型は安定。移動火葬車型は便利だが、炉を見せない・内訳不明な業者は避ける。

⑤ 「火葬炉に入れてから」の追加請求に注意

中断できない状況での高額請求の手口あり。見積書を超える請求には応じない。

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見積もりで確認しておくと安心な項目

火葬当日に「基本料金には含まれていなかった」と言われる追加料金のトラブルが報告されています。事前に書面で確認しておくと安心な項目を、選択肢としてまとめました。

  • 骨壷の代金: 基本料金に含まれるか、別料金か
  • 収骨袋・遺骨カバー: 立会い個別で使うことがある備品
  • 搬送料金: 訪問火葬の場合、車両手配・移動距離での加算
  • 時間外料金: 深夜・早朝・休日の対応で加算されるケース
  • 体重超過料金: 中〜大型犬で加算されるケース
  • 合祀(ごうし)料金: 遺骨を合同墓に納める場合の別料金
  • キャンセル料: 予約後に日程変更した場合の扱い

「見積もり書」または「メールでの書面回答」で全項目の内訳を確認しておくと、当日に慌てず済むと言われています。

業者を選ぶときに見ておくと安心な視点

相場より極端に安い/高い、住所や固定電話が明示されていない、内訳を口頭でしか説明しない——といったケースは、後で追加料金トラブルにつながることが報告されています。選択肢として見ておくと安心な視点は次のとおりです。

  • 会社所在地・固定電話番号が明示されている
  • 創業年数・代表者名が確認できる
  • 業界団体(全国ペット霊園協会など)への加盟状況が公開されている
  • 見積書に基本料金の内訳が明記されている
  • 火葬炉の内部・炉のタイプが確認できる(訪問火葬の場合は特に)
  • 口コミが「良い評価」だけでなく「気になった点」も掲載されている

複数社から内訳つきの見積もりを取っておくと、比較の判断材料が揃いやすくなります。

当日はどんな流れ?(立会い個別)

立会い個別は「準備→お別れ→火葬→収骨→持ち帰り」で、全体2〜3時間が目安です。

STEP1
準備

体重・犬種・希望日を伝える。一緒に入れたいもの(金属・厚い物は不可の場合)を確認。

STEP2
お別れ(30分〜1時間)

棺に納め、花や遺品を。

STEP3
火葬(30分〜1.5時間)

待合室で待機。

STEP4
収骨

家族で骨を拾う。泣いて大丈夫。

STEP5
持ち帰り

骨壷に納めて。全体2〜3時間が目安。

お別れ時に準備しておくと安心なもの

棺に一緒に入れられるもの・入れられないものは業者ごとに違います。準備しておいてよかったという声が多いのは次のようなものです。

  • 花(ドライフラワーではなく生花が望ましい業者が多い)
  • おやつ・ドッグフード(少量)
  • お手紙・写真(燃えるもの限定・遺影用の写真は別で残す)
  • 普段使っていたタオル・ブランケット
  • おもちゃ(プラスチックや金属が入っていないもの)

厚い金属・プラスチック・ゴム製品は、火葬炉に負担がかかる・骨に残るなどの理由で断られるケースが多いようです。前日に一度、業者に「入れて大丈夫か」を確認しておくと安心です。

収骨・骨壷サイズの目安

収骨は家族で骨壷に納めます。骨壷のサイズは、犬の体格でおよそ次のように選ばれています。

犬のサイズ骨壷の目安
〜5kg(小型犬)2寸〜2.5寸
5〜15kg(中型犬)3寸
15〜25kg4寸
25kg以上(大型犬)5寸〜7寸

遺骨をどのくらい残すか(全骨・部分収骨)も選べる業者があります。手元に置くか、後日納骨するかで骨壷サイズが変わるため、事前に相談しておくと安心です。

供養先の選び方(霊園・納骨堂・自宅埋葬)

火葬のあとの供養先は「霊園に納骨」「納骨堂・合同墓」「自宅で手元供養」の3方向。ご家族の距離感や暮らしのペースで選ぶ、という考え方があります。

ペット霊園の費用と選び方

ペット霊園は、屋外の墓地区画に個別の墓石を建てるタイプが一般的です。費用の目安として語られている範囲は次のとおりです。

項目費用の目安
個別区画(永代使用料)50,000〜200,000円
墓石代30,000〜150,000円
年間管理費3,000〜10,000円

選ぶときの視点として、通いやすさ・園内の雰囲気・年間管理費の有無・法要(合同慰霊祭など)の実施頻度、あたりが挙げられています。実際に足を運んで雰囲気を確認しておくと安心です。

納骨堂・合同墓という選択肢

屋内の納骨堂や、他の子と一緒に納める合同墓(合祀墓)を選ぶご家族もいらっしゃいます。費用感は次のような目安です。

タイプ特徴費用の目安
納骨堂(個別)屋内・個別のロッカー型区画30,000〜150,000円 + 年間管理費
合同墓・合祀墓他の子と一緒に納める3,000〜30,000円(永代管理費込みが多い)

合同墓は個別に取り出せなくなるため、後で分骨したい可能性がある場合は、契約前に確認しておくと安心です。

自宅埋葬・自宅供養の法律的な考え方

「自分の家の庭に埋葬したい」「遺骨を家に置いておきたい」——そう考えるご家族も少なくありません。日本の法律では、以下のような整理が語られています。

  • 自宅の敷地内: 私有地であれば、原則として自宅の庭に埋葬しても違法にはならないと言われています
  • 公園・河川敷・公有地: 廃棄物処理法・軽犯罪法に抵触する可能性があります
  • マンション・借家: 敷地を所有していないため、庭への埋葬は不可
  • 遺骨の自宅安置: 骨壷のまま室内に置く(手元供養)は法律上の制限なし

自宅埋葬を検討する場合、悪臭や衛生面のリスクを避けるため、火葬後の遺骨を50cm以上の深さに埋める方が多いようです。近隣への配慮として、事前に自治体へ確認しておくと安心です。

よくある疑問

Q. 亡くなってから、どのくらいで火葬すればいい?
夏場は早め、冬場は数日が目安。涼しい場所に寝かせ、お腹を冷やしてから連絡を。
Q. 支払いは?
当日現金が一般的。カード対応も増加。見積もり時に確認を。
Q. 葬儀費用は確定申告で控除できる?
一般に、ペットは税法上の対象外で控除は受けられません。個別判断は税務署・税理士へ。
Q. 遺骨は自宅に置いていい?
自宅安置は一般的で問題なし。高温多湿を避け蓋を閉めて保管。散骨は場所により配慮が必要。
Q. 犬以外の小動物も火葬できる?
対応業者は多いが事前確認を。
Q. 葬儀の服装マナーは?
明確な決まりはありません。人間の葬儀のような喪服にする必要はなく、黒・紺・グレーの落ち着いた色で参列するご家族が多いようです。葬儀の服装マナーについて詳しくもまとめてあります。
Q. 個別火葬と合同火葬の違いは?
個別火葬は1頭ずつ火葬するため、遺骨を家族が受け取れます(一任型と立会い型があります)。合同火葬は他の子と一緒に火葬するため、費用は最も抑えられますが、遺骨は返らないのが一般的です。遺骨を手元に残したいかどうかで判断される方が多いようです。
Q. 骨壷はどのサイズを選べばいい?
犬の体格に応じて選びます。小型犬(〜5kg)は2〜2.5寸、中型犬(5〜15kg)は3寸、大型犬(25kg以上)は5〜7寸が目安です。全骨を残すか部分収骨にするかで必要サイズが変わるため、業者に相談してみてください。
Q. 葬儀の種類・宗派の違いは?
ペットの葬儀に宗派の縛りはありません。仏式で読経を上げてもらうスタイル・シンプルな見送りだけのスタイル・自宅で家族だけで手を合わせるスタイルなど、ご家族の考えで選ばれています。読経を依頼する場合は、業者が僧侶を手配してくれるプランもあります。
できることは2つ
  1. シニア期の今、業者を1社だけでも調べておく
  2. いざというときは複数社から内訳つきの見積もりを取る

安さより、内訳の透明さと対応の誠実さで選んでください。

参考・出典

  • 犬の死亡届の根拠:狂犬病予防法 第4条(死亡時30日以内の届出)、第27条(罰則)。詳細はお住まいの市区町村・各自治体の案内をご確認ください。
  • マイクロチップの死亡届:環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」制度にもとづく(手数料なし)。
  • 費用相場:複数のペット葬儀業者が公開する料金をもとにした目安です。金額は地域・業者・時期で変わります。
  • 本記事に獣医師・専門家の監修はありません。費用・手続き・法令の最新情報は、必ず自治体・各業者にご確認ください。

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